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【3404】ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.58「私は二歳」(1962年) 事務局 田中 忍
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 当委員会会長の田中忍が、ads.FMで三重県ゆかりの映画について話をしています。
コーナータイトルは「三重の映画に恋をして」、略して「みえこい」です。
 第58回目は次のとおりです。本放送は、インターネットでもお聴きいただくことができます。
 ads.FMホームページ http://www.catv-ads.jp/fm/
 ただし、田中会長は電話出演のためインターネットでお聴きいただいた場合、声が
聞き取れません。ご了承ください。

放送日時:4月24日(日)午前11時20分から午前11時36分(予定)まで
放送局:コミュニティFM『ads.FM』
番組名:weekend mix
ナビゲーター:北山ヒロトさん
紹介映画:「私は二歳」(1962年)市川崑監督
              当時、1歳8か月の赤ちゃんが主役となる映画は史上初と呼ばれました。
       赤ちゃんの両親を山本富士子、船越英二が演じ、とても素晴らしい演技を
       見せてくれます。
       市川崑監督の大映映画時代の秀作の一本です。

なお、放送内容は、放送後にこのページに掲載します。     
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投稿日 2022/4/21 (Thu) 23:30:17
更新日 2022/4/21 (Thu) 23:30:17
 

【3405】Re:ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.58「私は二歳」(1962年) 事務局 田中 忍
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【放送内容】

市川崑監督と言えば、昨年の8月に放送した「みえこい」特別編で、「病院坂の首縊りの家」を紹介しました。「病院坂の首縊りの家」は石坂浩二扮する探偵・金田一耕助が活躍するシリーズもので、伊賀市でロケされ1979年5月に公開されました。市川監督は1915年のお生まれでしたので、63歳ごろに監督された映画です。63歳と言えば、人生の様々な経験をされ、人生がわかる、落ち着きを感じさせるという熟年期です。映画自身にも堂々としたものがありますね。そして、今日、お話する「私は二歳」は46歳ごろの作品で、映画監督としての才能やセンスを十二分に発揮し、同時に映像表現に挑戦や冒険が垣間見れます。市川監督は、「私は二歳」を大映映画で撮っていますが、大映映画時代の作品には、「炎上」「鍵」「おとうと」「野火」「黒い十人の女」など数多くの話題作や秀作があります。「病院坂の首縊りの家」など金田一耕助シリーズを監督している熟年期の映画にはスケール感や落ち着きがありますが、冒険的な演出テクニックは強く感じられません。言い換えると、市川監督の年齢と映画の作風がオーバーラップしているように思います。

市川監督は18歳で映画に関わり、亡くなられる92歳までの75年間、約80本の映画を監督され、文字通りの生涯・映画監督でした。今、話したように、40代で監督した映画と60代での映画を見比べることで変わった点、変わらない点などを発見する楽しみがあります。

では、「私は二歳」の紹介をしていきましょう。この映画では、1歳8か月の赤ちゃんを主役にしています。ネットでも当時の予告編を見ることができますが、1歳8か月の赤ちゃんを主役にした映画は映画史上初であると、その予告編でアピールしています。そして、主役をオーディションで決定したというので、調べてみると、この映画は森永乳業が協賛していて、森永ミルクとのタイアップで主役の赤ちゃん公募をしました。すると3240名の応募があり、その中から選ばれた赤ちゃんが鈴木博雄君という男の子だったのです。市川監督は、「他にも可愛い赤ちゃんはいたのですが、赤ちゃんの代表選手ということで、私のイメージにぴったりでした」とのコメントをされていました。

それから、映画では、赤ちゃんが大人をどのように見ているか、日頃どんなことを考えているか等のセリフを、当時、テレビ・映画・ラジオで活躍していた女優の中村メイコが担当しています。セリフを聞くと、大人が赤ちゃんに対し思っていることと赤ちゃんがやりたいことは違うのだよということがわかります。まだ、言葉で表現できない年齢ですから、赤ちゃんの行動を見て大人は勝手に想像しちゃいますものね。

この映画には原作があって、松田道雄というお医者さんで育児評論家の方が書かれています。だから、映画で描かれる赤ちゃんの行動には説得力があります。私には3人の孫がいて、上は5歳なのですが、他の2人は来月2歳になる女の子と1歳半になる男の子です。映画を観ていると、「そうだ、そうだ」と思うことがたくさん描かれています。この映画を市川監督が作るきっかけとなったのが、市川監督の子どもさんが二歳で、この映画の脚本を担当された奥様が松田道雄の育児論に賛同されていたからとのことです。ただ、映画では、原作のエピソードに加え、市川監督らの子育て観や社会問題が描かれています。観終わって、あっさりした感じが残ります。もっと赤ちゃんの可愛さというか、親も予想しない行動や表情を赤ちゃんがしてくれると、これまでの子育ての苦労を忘れてしまうようなエピソードがあってもよかったのにと思いました。

「孫は目に入れても痛くない」という諺があるほど、私たちから見ると可愛くて仕方がないのですね。この映画の赤ちゃんももちろん可愛いのですが、市川監督の演出は、赤ちゃんの可愛さばかりを描くのではなく、目を離すと大きな事故に巻き込まれるという冷ややかな目があります。具体的に言いますと、団地のコンクリートの階段を赤ちゃんが一人で登っていったり、2階の策が壊れて転落したり、ビニル袋を被って呼吸困難になったりというシーンも描かれています。1歳を過ぎると自分で歩けるようになるので、ふと目を離したすきに「どこへ行った?」と探さなければならない。気が付くと、ストーブやオーブンのスイッチをさわったり、階段を登ろうとしていたり、また、床に落ちている紙を口に入れてヒヤッとすることが増えてきます。それから、自分がしたい事も増えてくるので、それがうまくできない時は大泣きしますね。と言っても、それも赤ちゃんの成長ですから、家族皆で、助け合って育てていかないとと思います。映画では、赤ちゃんの父親の母親が途中から登場してきます。祖母として、また姑としての立場から発言されるので、奥さんは、時々、姑の意見をどうするか悩んでしまいます。

私ね、うちの奥さんから言われたことがあります。「孫は自分の子どもと違って、私たちの子どもが親なのだから、自分の判断で構ってはいけない。子どもから頼まれたことをやるというスタンスでないと、孫と親の関係がうまく築けない」と。でも、すぐ「大丈夫?」と動いてしまいますね。それから孫のいい顔や残しておきたい表情などを動画で撮影しようとすると、一人では難しいです。一人が赤ちゃんと接し、一人がカメラを構えていないと、シャッターチャンスを逃します。と、孫の話になると、私、いつまででも話してしまいますので、ここらで映画の話に戻りますね。

赤ちゃんが主役の映画ですから、撮影中は、赤ちゃんのペースで進められました。つまり、赤ちゃんの機嫌もあるので赤ちゃんにカメラや照明を長時間に向けないようにしました。と言っても、映画を見ているとこちらが望む演技や表情を赤ちゃんがしており、うまく撮影できたな。やはりプロだと思うシーンばかりでした。それから赤ちゃんが一人で歩くので、けがをしないように撮影現場は整理整頓が必要でした。また団地のコンクリートの階段を登ったり、ビニル袋を被るシーンは、赤ちゃんと等身大である人形を使って撮影したとのことです。スタッフや赤ちゃんと共演する俳優さんも大変で、市川監督は、撮影後、家まで送ってもらう時、車の中でよく眠ってしまったと、インタビュー記事に書いてありました。

赤ちゃんのお母さんを演じたのは山本富士子、お父さんを演じたのは船越英二です。山本富士子のお母さん役はとてもよく描けていて、「子育て頑張ってください」とエールを送りたくなります。一方、お父さんは、子育てがまだ得意でなく、自分勝手なことを言ってばかりという印象で、このようなお父さん像を船越英二が演じると、ピタリと決まってしまいます。そして、お父さんは失敗をしたり夫婦で口喧嘩することが多いのですが、その後、お父さんの方が謝り、夫婦で仲良く、子育てをしているという、いわば、子育てを通じて親も成長するというまとめ方が、この映画の特徴です。

【音楽】童謡「ゆりかごのうた」
    *映画では使われていません。

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投稿日 2022/4/24 (Sun) 12:04:54
更新日 2022/4/24 (Sun) 12:04:54
 


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