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【3400】ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.57「浮かれ三度笠」(1959年) 事務局 田中 忍
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 当委員会会長の田中忍が、ads.FMで三重県ゆかりの映画について話をしています。
コーナータイトルは「三重の映画に恋をして」、略して「みえこい」です。
 第57回目は次のとおりです。本放送は、インターネットでもお聴きいただくことができます。
 ads.FMホームページ http://www.catv-ads.jp/fm/
 ただし、田中会長は電話出演のためインターネットでお聴きいただいた場合、声が
聞き取れません。ご了承ください。

放送日時:3月27日(日)午前11時20分から午前11時36分(予定)まで
放送局:コミュニティFM『ads.FM』
番組名:weekend mix
ナビゲーター:北山ヒロトさん
紹介映画:「浮かれ三度笠」(1959年)田中徳三監督
            『濡れ髪シリーズ』(主演:市川雷蔵)の3作目です。
       本郷功次郎や中村玉緒、かしまし娘らが共演したテンポある
       楽しい作品です。


なお、放送内容は、放送後にこのページに掲載します。     
      
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投稿日 2022/3/24 (Thu) 21:19:54
更新日 2022/3/24 (Thu) 21:19:54
 

【3402】Re:ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.57「浮かれ三度笠」(1959年) 事務局 田中 忍
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【放送内容】
 
本作は、市川雷蔵主演、『濡れ髪シリーズ』として大映京都撮影所が製作しました。
1958年に第1作「濡れ髪剣法」、翌年には「濡れ髪三度笠」と「浮かれ三度笠」、1960年には「濡れ髪喧嘩旅」、そして61年には「濡れ髪牡丹」が製作され、明るい時代劇として評判になりました。田中徳三監督は本作以外にも、2作目の「濡れ髪三度笠」と5作目の「濡れ髪牡丹」を監督しています。

田中監督は、1958年に「化け猫御用だ」で監督デビューされ、翌年「お嬢吉三」が公開、その次の作品が「濡れ髪三度笠」、そして「浮かれ三度笠」となり、2年目の新人監督でした。当時の大映映画の宣伝では、田中監督のことを『新人監督のホープ』として売り出しています。ただ、「お嬢吉三」は1959年4月21日公開、「濡れ髪三度笠」は1959年の8月1日公開、「浮かれ三度笠」は1959年の12月6日公開という事ですので、濡れ髪シリーズはそれぞれ3か月程度で完成させたという事になります。

田中監督は、三隅研次や池広一夫監督と共に「大映三羽烏」と呼ばれ、全盛時の大映京都撮影所を支える主力監督として活躍されました。

では、「浮かれ三度笠」のお話をしていきましょう。実は、冒頭、物語の発端となるエピソードが、歴史ものに弱い私には少し複雑でした。

将軍職を吉宗と争った尾張徳川の宗春が、「いつか将軍の地位を」という不穏な動きを、幕府に不満を抱く諸国大名とともに計画していることを、宗春の娘・菊姫が連判状を見て知ります。菊姫は連判状を持参し、父に謀反を起こさぬよう説得しようと、江戸から尾張名古屋へ向かいます。が、そのきっかけとなったのは、吉宗の甥にあたる松平与一郎と菊姫を結婚させ、宗春の気持ちを落ち着かせようという幕府の魂胆があったからで、これへの反発もありました。
映画は、与一郎が自分との結婚をないがしろにしようと、江戸を飛び出した菊姫が許せないという置き書きを残し追いかけます。そして、このことを知った両家は、若侍・兵馬に菊姫を江戸まで連れて帰れと命じます。一方、幕府は、黒手組とふくろう組という隠密を派遣し、菊姫を尾張に行かせぬよう、そして連判状を手に入れ宗春の失脚をねらいます。さらに、兵馬の前には謎の旅がらす・与三郎や謎の女・お吉も尾張名古屋行きに加わって、お話が複雑になります。

菊姫を追いかける者、助ける者がくっきりと描かれ、旅がらす・与三郎と兵馬は助ける者になります。この与三郎を演じたのが市川雷蔵、兵馬を演じたのが本郷功次郎です。二人とも実に若くフレッシュな感じです。

ところで、映画から離れたお話になりますが、前回、「新・座頭市物語」の紹介時、田中監督のプロフィールで言葉足らずな点がありました。田中監督は2007年にお亡くなりになられるまで約20年間、名張市に住まわれました。そしてお亡くなりになった後の2009年、名張市の市政功労者表彰式で特別表彰を受けられています。また名張市では田中徳三監督映画祭も開催されました。田中監督がお元気だった2006年とお亡くなりになった後の2009年に開催されています。名張市民の方々が中心になり開催されたもので、田中監督が名張市におられることをとても誇りとされたイベントでした。

さて、本作品、とても時代劇らしい作品だと感じました。お話しましたように、江戸から尾張名古屋へ行くロードムービーですので、いろいろな場面を映像で映し出す必要があります。本来なら、道中の有名な富士山などを映せば、江戸から尾張に向かっているのだなという感じを観客には与えますが、撮影期間が短いので、道中のそれぞれの場所に出かけロケをするには、大変な労力と時間がかかってしまいます。おそらく、本作の撮影は、京都周辺の土地で江戸時代を思わせる場所でのロケや大映撮影所のセット撮影で対応していると思います。この映画が撮影された1959年は、まだまだ近代建築は多くありませんし、道路の舗装も珍しいので、ロケもいろいろなところでできたと思われます。

時代劇らしいと思ったのは、何でもないシーンに、旅をする団体とか、商売をする団体とか、家族とかが主役の俳優たちの近くを歩いていくシーンです。そのシーンは青空のもとでロケがされていてのんびりとした感じを醸し出し、平和なシーンの一ページといえる、いい雰囲気なのです。演出プランとして、道中で出会う人々はどのような装いをした人かが考えられているからこそ、その人たちが歩いていて不思議じゃないというような印象を与えてくれます。それから、セット撮影か、どこかのお寺やお城を借りているか詳細はわかりませんが、室内風景も、かなり多くのカットがあり、それぞれのシーンに武士や腰元役としてたくさんの俳優やエキストラが配置され臨場感があります。
たとえば、人間ほどのたぬきの置物が登場します。その前で、与三郎は身分を明かさずと兵馬に与太話をします。「私は真実を知っているよ」と言わんばかりにその話をじっと見ているのがタヌキの置物というシーンです。また、別シーンではこのタヌキの置物の背景に菊姫が身をひそめるというシーンもあります。このように、凝るところには凝っているというのがわかると、私は嬉しいですね。

時代劇は映像に映るすべてが現代でなくその時代にあったものでなければなりませんので、人間も背景も現代ものが映りこんではいけません。それでけ、手間暇がかかるわけです。現代は、あまり時代劇が作れられなくなりましたが、この当時は時代劇の製作も多く、セットや大道具も使い回しているものも多いと思います。かえって、最近のように時代劇をたまに作っていると、既に製作されたものがないわけですから、一から製作する必要があり時間や費用がかかるでしょう。

当時は、製作日数が短いので、スタッフ・キャストも大変だったでしょうが、手慣れたスタッフによる映画作りという楽しい夢のある時間を皆で共有できたと思われます。特に、このような明朗時代劇は、皆がノリノリでないといけないと思うのです。映画作りの明るさが、映画自身を明るくしているように思うのです。さて、この映画が明るく楽しいのは、テンポの良さが第一にあげられ、二転三転するストーリーが楽しめます。そしていろいろと映画に仕掛けがあります。

まず、江戸時代では使われていないだろうという現代語が使われているところです。たとえば、ファニーフェイスとかピーナッツなどという言葉が聞かれました。最初は、そのようなカタカナ言葉が聞かれ違和感がなかったのですが、「あれ?おかしいな」と耳を傾けていると、結構、使われているのですね。

それから、この映画にはかしまし娘が出演しています。正司歌江、照枝、花江の三姉妹で構成され、昭和の時代の上方の漫才師で、「うちら陽気なかしまし娘、誰が言ったか知らないが、女3人寄ったらかしましいとは愉快だね」というテーマソングにのって出てきて楽しい漫才を見せてくれ、私はファンでした。もちろん、この映画でも「お伊勢まいり」の歌を披露し、他の出演者も歌ったり踊ったりします。

もちろん、この映画の魅力は主演の市川雷蔵が素敵です。市川雷蔵という役者は、映画によっていろいろな表情をつくり演じ分けます。私は、この映画のような陽気な雷蔵が好きですが、彼の代表作となった「眠狂四郎」はニヒルな男性を演じ、憧れるという方も多いのです。もちろん現代劇にも出演しました。田中徳三監督が雷蔵のことを、「手応えのない温和さと、清潔な雰囲気を持ったこの人は、仕事になると凛然と肩を上げて、着実で重厚な、そして絢爛たる演技者に変貌した。これは素顔を知っている私には、目をみひらくような驚きであった」と語られたとネットで書かれていました。ただ、市川雷蔵はガンで37歳という若さで他界しています。しかしながら、映画俳優として活躍した15、6年の間に約160本の映画に出ていて、テレビや映画館で彼の主演作がよく上映・放送されますので、雷蔵ファンは減っていないと思います。

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投稿日 2022/3/27 (Sun) 12:01:47
更新日 2022/3/27 (Sun) 12:08:20
 


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