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【3263】FMなばり「三重の映画に恋をして」〜VOL.16「スパイ・ゾルゲ」 事務局 田中 忍
メール tnk@orannge.ocn.ne.jp 
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    当委員会会長の田中忍が、FMなばりで三重県ゆかりの映画について話を
   しています。コーナータイトルは「三重の映画に恋をして」、略して「みえこい」です。
    第16回目は次のとおり9月23日(日)の放送です。本放送は、インターネット
   でもお聴きいただくことができます。
          詳しくは、FMなばりのホームページでご確認ください。
     http://www.advanscope.jp/fm/
          第16回目放送:平成30年9月23日(日)11時00分から11時18分(予定)まで
          放送局:FMなばり「なばステ」
          番組名:情報処。ちゃ〜みせ83.5
          ナビゲーター:田中愛さん
          紹介映画:「スパイ・ゾルゲ」(篠田正浩監督、2003年)
     第二次世界大戦中の日本で、スパイ活動をしたソ連の人物リヒャルト・ゾルゲを
     描きます。CGをふんだんに使い『昭和の東京』を再現されています。なお、篠田
     監督は本作で監督業を引退しました。三重県での撮影地は、桑名の六華苑です。
     放送内容は、放送終了後、このページで掲載します。
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投稿日 2018/9/21 (Fri) 5:58:02
更新日 2018/9/21 (Fri) 5:59:20
 

【3264】Re:FMなばり「三重の映画に恋をして」〜VOL.16「スパイ・ゾルゲ」 事務局 田中 忍
メール tnk@orannge.ocn.ne.jp 
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放送内容

ゾルゲはリヒャルト・ゾルゲといい、実在の人物。第二次世界大戦中の日本で、スパイ活動をしたソ連の人物です。ソ連は、国土の両側を、戦争当時、ドイツと日本軍の脅威にさらされ、両国の動きに神経を尖らせていました。そこで、ゾルゲはドイツのジャーナリストとして来日し、やがて日本にあるドイツ大使館と関わりを持っていきます。また、日本人記者・尾崎を仲間に引き入れ、日本の軍隊や政府の機密情報をソ連に流すというスパイ活動をするのです。

上映時間3時間、ちょっと長過ぎたかなっていう印象が、私にはあります。しかし、この映画を作った篠田監督は構想に10年を費やし、製作費に20億円かかったと言われていますので、監督の意気込みが違います。

三重映画フェスティバル2003のプレイベントで本作を上映し篠田監督に舞台挨拶をしていただいたことがあります。その際、映画製作のエピソードも語ってもらいました。次の2点が印象に残っています。

1.「この映画が完成出来たら死んでもいい」という程、監督の中では思い入れが強い作品で、その発言がいつの間にか、映画の宣伝文句に使われてしまい、「これを撮ったら死ねる」というキャッチコピーになってしまったというお話がありました。なので、「ちゃんと完成しましたけど、こうやって生きていますよ」と舞台挨拶で話され、笑わせてもらいました。ただし、この作品で、監督業は引退をされました。それほど、この映画は篠田監督にとって重要な偉大な映画だったと言えるのです。
2.CG映像を採用することで実現できるものが多いという事を語られました。篠田監督は、この映画で『昭和の東京』を再現しています。CG製作を一番にバックアップしたのがNTTなのです。NTTは、篠田監督が、CGを使って映画を製作されるなら、その技術は将来のテレビ映像技術にフィードバックできると言われ応援してくれましたので、監督は自分が思うようにCG製作を行い、映画に展開しました。監督が引退を決意された理由のひとつとして、「NTTのバックアップという幸運に恵まれて、これ以上の幸運はもうやってくるとは思えない。だから引退も決めた」と言われました。

CG製作について、海外に目を向けると、本格的にCGが採用されたのは、1982年に公開されたディズニー映画「トロン」と言われています。1990年代に入り、「ターミネター2」「ジュラシック・パーク」「トイ・ストーリー」など、本格的にCGが使われ出します。一方、日本はアニメで1980年代にCGが使われ、実写は1990年代、本格的には2000年に入ってからと言っていいと思います。ただ、CGによる映画製作も大事ですが、昭和を思い出させる場所での撮影も当然必要と、「スパイ・ゾルゲ」は愛知県犬山市の明治村、三重県桑名市の六華苑などで撮影をしています。どちらも監督がお気に入りの場所だったと聞いています。

六華苑は、桑名の実業家・二代目諸戸清六の新居として、明治44年に着工され大正2年に完成しました。イギリス人のジョサイア・コンドルが設計を手掛けた洋館と、そこから繋がる和風建築、そして四季を感じる庭園から成り立っています。コンドルは鹿鳴館の設計で有名な建築家なのです。この時代は、洋館と和館を別々に立てることが一般的でしたが、六華苑の洋館と和館は直線状に配置され、壁一枚でつながるように建てられていて非常に珍しいのです。洋館と和館がつながっていますので、撮影の際は、二つの建物が同じ場所にあると見立てて撮影する場合と、それぞれ別の場所として撮影する場合があります。この建物は実際、明治・大正の時代に建てられているので、その時代のロマンを感じさせます。また六華苑の広い敷地は『現代もの』が映り込まないという条件にも恵まれているからなのですね。

最近、六華苑を使って撮影された映画は、平成26年に公開された「偉大なる、しゅららぼん」です。濱田岳、岡田将生、深田恭子が出演しています。「スパイ・ゾルゲ」のスタッフの1人が、六華苑ならイメージ通りの撮影ができると提案してもらい、撮影が実現しました。他には、平成22年に公開された生田斗真主演の「人間失格」、平成26年に公開された韓国映画「お嬢さん」、平成28年に公開された桑名市が舞台の「クハナ!」などがあり、テレビドラマの撮影も多いのです。韓国映画の「お嬢さん」が公開された後は、韓国から平均して月一組は訪問され、撮影された場所はどこですか?とたずねられたと聞きました。

六華苑は国の指定重要文化財です。だから文化財を傷つけないよう、撮影機材に緩衝剤やクッションを付け、注意して撮影が進められました。ドアやふすまを開けるのも職員がやったり、文化財担当の桑名市教育委員会が撮影に立会い、六華苑の安全を守っているとのことです。

この映画の出演俳優で、ゾルゲをイギリスの俳優イアン・グレンが演じています。彼は「バイオハザード」にも出ています。他には友人の尾崎に本木雅弘、そして伊賀市出身の椎名桔平、篠田正浩監督の奥さんである岩下志麻ら豪華な俳優陣が出ています。そして、最近では映画やドラマで姿を見かけなくなった葉月里緒菜が、ゾルゲの愛人役で出ています。葉月は、篠田監督の「写楽」と名張地域でも撮影された「梟の城」にも出でいます。「スパイ・ゾルゲ」での役柄は、葉月が演じた女性が年老いて(加藤治子が演じた)、ラストシーンで、ベルリンの壁が壊されるシーンをテレビで見ているところが印象的です。

ところで、篠田正浩監督は、昭和6年のお生まれです。ある講演会で、監督はこのようなことを話されていました。「昭和16年、真珠湾攻撃があり、その翌年、『スパイ・ゾルゲ』で描いたゾルゲ事件が新聞で報道されました。ゾルゲの知人の尾崎は岐阜県の生まれと報道されており、私も岐阜県の生まれだったので、びっくりしました。中学校になったときに大東亜戦争が起こり、日中戦争は14歳の中学33年の時でした。大学に入ると朝鮮戦争、監督になったらベトナム戦争、そして監督を引退するときはイラク戦争だった」と。私は、このお話を聞き、監督の人生において、戦争が切り離すことはできなかったのだなと思いました。ですから、加藤治子が、ベルリンの壁が壊されるシーンをテレビで見ているラストシーンが出てきたとき、監督は、戦争が終わったという終止符を描いたのだと思いました。エンドタイトルで流れてくる歌が、ジョン・レノンの「イマジン」。「イマジン」は世界平和と人類愛を唄ったものです。

曲:「イマジン」パイプオルガンバージョン(作曲:ジョン・レノン)

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投稿日 2018/9/23 (Sun) 19:01:18
更新日 2018/9/23 (Sun) 19:01:18
 


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