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【3548】「チア☆ダン」(河合 勇人監督、2017年) 田中 忍
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このところの日本映画は、「きょうのキラ君」「一週間フレンズ。」「君と100回目の恋」「ハルチカ」「ひるなかの流星」など、若い男女の恋愛ものが中心で、映画館で見る必要があるのだろうか、WOWOWで見ればいいのではないかと思ってしまう。これまで見た上記のテーマの映画は、規模も内容もTVドラマの延長だったという経験から、見ずして失礼な言い方をしているのを許してほしい。見れば愛着がわき、「これはいい」と感動するのもあるのだろうが、敬遠してしまう。また、この手の作品ばかり制作していると、ターゲットとしている若い観客層も飽きてくるのではないかと懸念する。

本作の河合勇人監督は、前作「俺物語」(2015年)でごひいきになった。よくあるTVドラマの延長のような作品だと、「このシーンの後には、こういう展開になる」とか「こういうセリフが語られる」という風に、先が読めてガッカリする。が、河合監督は他の監督が作ればベタになるところを、少しでもそうならないように、見せ場や意外性を作り、努力しているところがある。つまり既成観念や、過去、映画やドラマが描いた「流れ」に自分の身を置かないようにしていると思われる。

また、「俺物語」では、非常にモテる男(坂口健太郎)を引き立てるという役柄の生徒(鈴木亮平)が主役であり、本作も「自分がセンターにならなくてもセンターにいると思って踊る」という女生徒(広瀬すず)を主役にしている。まだ河合作品を2作しか見ていないのでたまたまかもしれないが…中心になる人物の側には、彼らを盛り上げる人物の存在があり、その人こそ、目立たないが重要な人物、キーマンであるという、人物観が河合監督にはあるのではないかと想像する。

さて、本作の正式タイトルは「チア☆ダン 女子高校生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」という長いもので、日本映画では珍しいサクセスストーリーである。目的を達成する途中で、彼女たちを邪魔する嫌ぁな存在は学校側に少しあるものの、相対的にはよき人が出てくる。彼女らが次第に身につけるダンスの上達度を見るにつけ、彼女たちの成長がわかるし、目標に向かって進むためには、今の自分を乗り越えていくしかないと、練習に励む女生徒たちは、「明るく、素直に美しい」。彼女らの頑張りに元気をもらい、折れそうになる姿に応援をしたくなるシーンが交互にやってきた。しなやかな肉体に宿る美と言えばいいのか、躍動的でスマートな動きの中で、女性の美しさが輝いている。

さらに観るものを楽しくさせるのは音楽である。リズムに乗れるサウンドだったり、情緒あふれるスローバラードだったり、自分は踊れなくとも、観る者の心の中に彼女らが入り込み、一緒にダンスをしている雰囲気にさせられる。セリフも本音で語るところがあり、笑える部分と、「その言葉、友達思いでいいなあ」とほっこりする部分があって居心地良い、

出演者では、広瀬以外、中条あやみが演じる部長の立場に共感したり、「ソロモンの偽証」で印象深い、ポッチャリ系の富田望生、気性は強いが自分を出せずにいる山崎紘菜、キャピキャピアイドル系の福原遥ら、それぞれのキャラが立ち非常に存在感があった。

そして彼女たちを指導する先生役として天海祐希。彼女のキャラは強すぎるので、本作の鬼コーチ役は浮き上がってしまうのではないかと心配したが、彼女の素顔を見せるあたりから、天海でヨカッタと思わせる演出が、河合監督の腕の見せ所である。

本作は、トルーストーリーで県立福井商業高校のチアダンス部がモデルになっているので、必然的に福井県でロケがされている。福井県にとっても、よい映像財産になりうらやましい。三重県にも映画にする題材がないものか、これからも新聞やテレビで情報収集しネタ探しをしたいと思った。

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投稿日 2017/3/27 (Mon) 11:21:23
更新日 2017/3/27 (Mon) 21:25:35
 


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