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2012/10/28 第10回三重映画フェスティバルに参加して 三重大学4年 田中千晴
 今回私は、司会として参加させていただきました。前回、6月に横山さんの講演会でボランティアとして参加してから、今回で2回目の参加です。当日、緊張しながら会場に向かいましたが、みなさんがあたたかくお迎えくださり、とても嬉しかったです。

司会を務めながらも初めて見る映画にくぎ付けでした。上映された3作品は、どれもジャンルは違いますがとても魅力的でした。中でも、今回大きな衝撃を受けたのは、澤井余志郎さんのドキュメンタリー映画「青空どろぼう」です。私自身も高校時代、四日市コンビナートを電車の窓から見ながら通学していました。母も四日市出身で、小学生の頃は高化学スモッグ警報が発令されると校庭から校舎内に避難した、という話を聞いたことがあります。そのような、四日市コンビナートの印象、四日市公害の印象は、「昔の話」。今は裁判も終わり、公害問題はひとまず終結したものだと思っていました。

しかし、「青空どろぼう」を見て、実際にはまだ公害問題は終わっていない、四日市のきれいな海、きれいな空気は完全には戻っていないのだと分かりました。「社会の経済発展の犠牲として、公害が生まれた。住民も企業に勤める人もこのような被害が出るとはだれも予想できなかった。」という言葉が印象的です。私にとっても、身近な四日市。市民の公害に対する意識が薄らいでいる今、語り継いでいく者の減少や、公害問題に対する政策が行われていないなど、新しい課題が出てきていることを知りました。

この映画からは、二度と同じことを繰り返してほしくない、というメッセージを感じました。この映画を、三重県民のみならず、海外の経済発展途上にある新興国の人々にも見てほしい、そして未来の自分たちのまちを想像してほしい、と思いました。

そして、四日市公害を長い間追い続けている澤井余志郎さんの信念の強さに心惹かれました。澤井さん御兄弟の講演会とこの映画を見て、私自身の生き方を顧みて「ひとつのこと追い続ける信念」を持ち続けようと決めました。

今回、映画には、登場人物の訴えたいことと、制作側の信念が重なっているのだと実感しました。司会という役目を務めながらも、映画の魅力を知ることができた、とても貴重な機会となりました。


写真撮影:山本展義
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