TOP>三重映画さんぽ>三重県のフィルムコミッション思案 辻 昌平
フィルムコミッションとは
 フィルムコミッション(以下、「FC」という。)とは、映画等の撮影場所誘致や地域で撮影を行うに当っての様々な支援を行う組織のことをいいます。このFCは日本で最初に誕生したのが、「大阪ロケーション・サービス協議会」で平成12年に設立しました。その後、日本各地に様々なFCが設立しました。

三重県内におけるフィルムコミッションの動き
伊賀上野城の石垣。  三重県内では、平成14年に最初に立ち上がった「伊勢志摩フィルムコミッション」から平成22年4月に設立した「ロケーション・ナヴィゲーター・伊賀」まで計6つのFCが活動しています(平成22年5月末調べ)。
 さて、県内FCの映画撮影支援についてですが、「逆境ナイン」(2005年)、「小さき勇者たち〜ガメラ〜」(2006年)、そしてこの映画さんぽでも取り上げられた「半分の月がのぼる空」(2010年)の事例を見ると、支援の体制が時間の経過とともに変化していくのが分かります。
 これら三作品の全ての撮影支援等に「伊勢志摩フィルムコミッション」が関わっています。まず、「逆境ナイン」では、撮影時期が他のFCが立ち上がる前だったこともあり、単独で支援を実施しました。次に、「小さき勇者たち〜ガメラ〜」では、名古屋を中心に活動している「なごや・ロケーション・ナビ」もロケ地支援を行った経緯もあり、ロケ地マップの共同作成等、県境を跨いだ広域協力が実施されました。そして、「半分の月がのぼる空」では、伊勢志摩フィルムコミッションを中心に県内各地のFCと連携して、エキストラ募集や撮影隊の希望に合うロケ場所の確保を進めました。この点から、県内のFC間で映画等の撮影支援を行う際に連携の重要性を認識されており、三重県もFC間の連携を深める情報交換の場の提供等を行っているとのことです。

今後の活動展開に思うこと
伊賀市内撮影。このような電柱がない風景はロケ地として好まれます。 FCを設立するに当り、その地域の多くが、映画等の撮影支援をすることで地域振興や観光振興等に繋げようとしています。
 そのことで、全国の代表的な事例を見ると、山形県酒田市では第81回アカデミー賞を獲得した「おくりびと」(2008年)のロケ地を巡るコース作りや関係する情報が手に入るホームページの充実等を図ったりしています。また、秋田県では、韓国ドラマ「IRIS」(2009年)のロケ地となり、ドラマ人気の効果で韓国から多くのファンが来るようになりました。その効果は、秋田―ソウル間の路線において今年1月の利用者数が史上最高を記録し(韓国人搭乗客数も史上最高)、航空会社も座席数が今までの倍の大型機を投入したほどです。このことは、海外テレビ番組等のロケ地誘致が海外誘客に対して大きな成果を上げたことを示しています。
 今後、三重県内のFCにおいて、映画撮影の支援だけでなく、普段においても多く対応していると考えられるTV番組等への情報提供等、更なる実績を着実に積み上げていく必要があります。そして、撮影隊の様々な要望に応えることができるようになるためにも、「半分の月がのぼる空」のようにFCの枠を超えた支援を提供し合える体制作りが求められています。このような取り組みを進めていけば、三重県という写真のようなロケ地になりそうな場所が種類や量ともに多くある地域特性を活かすことで、更なる撮影場所誘致に成果を得て、地域の振興にも繋がっていくと思っています。
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