TOP>三重映画さんぽ>〜シリーズ伊賀〜その2「城」 木村 直史
 何かと節目に当たる年、そんなことを思いながら過ごしている今年は西暦2010年です。2010年といえば、アーサー・C・クラーク原作のSF映画「2001年宇宙の旅(1968年製作)」の続編「2010年(1984年製作)」という作品があります。映画の中では、宇宙の旅がすでに過去の出来事となり、月に住んだ人類のさらなる進出として木星探査物語が描かれます。実際の2010年、すなわち現在は宇宙ステーションの実験が行われ、日本人宇宙飛行士の活躍も目ざましいものの、人類の宇宙生活はまだまだ夢の話です。しかし当時のSF映画では、2000年代は果てしない未来であり、宇宙開発が大きな象徴として考えられていたことが分かります。

レッスン前、インタビューに答える門山葉子さんさて2010年は、映画界でもいくつかの記念年です。中でも「世界のクロサワ」こと、黒澤明監督の生誕100周年に当たり、各地で記念映画祭やイベントが開催予定です。黒澤明といえば、戦後から日本の映画芸術を作り上げてきた説明無用の映画職人で、世界中にファンをもつ名実共に巨匠と呼ぶにふさわしい監督です。そんな黒澤監督ですが、「影武者(1980年製作)」という作品ではここ伊賀を訪れ、伊賀が誇る名跡・上野城で撮影が行われました。いまから30年前の話です。上野城は白鳳城とも呼ばれ、日本100名城にも選ばれている、高い石垣と天守閣を残した三重県唯一の城です。ます。1585年、筒井定次によって築城され、1611年には藤堂高虎によって改修と石垣が設けられる拡張が施され現在の形となり、藤堂家が城主となります。歴史の裏をめぐる壮大なドラマの舞台の一角として、世界のクロサワが選んだ上野城。来年2011年には藤堂家が城主となって400年を迎えますが、いまなお勇壮にそびえています。

レッスン前、インタビューに答える門山葉子さん そんな上野城ですが、寒空の今年2月、改装工事中でした。昨年10月の台風18号接近の際、外壁のひび割れや瓦の破損などがありました。そのための修復作業が11月末から3月まで行われ、4月には新装で春と観光客を迎えました。上野城が改装工事、なかなか珍しい光景です。宇宙の旅は、もうちょっと先になりそうですが、歴史を刻み感じることのできる旅は身近なところにもある・・・上野城を見ながら、そんなことを思う2010年なのでした。
Copyright:(C) 2004-2010 三重映画フェスティバル実行委員会. All Rights Reserved.